自伝(その7)〜MSXパソコン – 安いけどいろいろ遊べる〜

低価格パソコン MSX2

再びパソコンが欲しくなった私は,なけなしのお金を叩いて,低価格パソコンとして発売されていた MSX2 規格パソコンである,パナソニックの FS-A1mk2を買いました。安売りをしていたので,1万円ちょっとだったと思います。

CPU に Z80 を採用し,VDP は,ヤマハの V9938,サウンドは,GI のAY-3-8910 互換(一般的に PSG と呼ばれるやつです)を搭載していました。何となく,PC-6001 シリーズと似たような感じを持ったのかもしれません。

ちょうどこの頃,MSX 内部の各種チップがワンチップ化,コストダウンされ,一気に価格が下がりました。たしか,A1mk2 には,S1985 と言われるカスタムIC が搭載され,i8255,AY-3-8910,カセットや,プリンタインターフェースなどの回路がコレ1つに収められていたと思います。CPU は DIP の Z80 が載っていたと思いますが,後の MSX2+ 規格になると,これもカスタムチップに入ってしまいます。

フロッピーディスクドライブがない

MSX パソコンは,外部スロットカートリッジ差込口があり,カートリッジで供給されるゲームは,ファミコンのように刺して電源オンすれば,すぐにゲームを遊ぶことができました。ただ,MSX も他のパソコンと同じように,大容量のゲームは,フロッピーディスクで供給されるようになり,ディスクドライブがない A1mk2 を買ってしまった私はひどく後悔してしまいました。

しかし,MSX パソコンは,この外部スロットカートリッジでいろいろな周辺機器を拡張することができます。私は,またまた,なけなしのお金を叩いて,外付け 3.5 インチディスクドライブを買いました。

これで,ディスク版のゲームも遊ぶことができるようになりましたが,何よりも,いろいろなデータをディスクに保存できるようになったのが非常に大きかったと思います。

雑誌のプログラムリストを打ち込みまくる

MSX には,専用の雑誌が大きく2つありました。「MSX MAGAZINE」と「MAX・FAN」です。それぞれ「エムマガ」「エムファン」と呼ばれていましたね。

エムファンには,毎月投稿プログラムが掲載され,それを打ち込み,遊んでいたりしましたが,それよりも楽しかった雑誌がありました。

「バックアップ活用テクニック」です。

プロテクト解除でマシン語に強くなる

「バックアップ活用テクニック」はその名前のとおり,市販ゲームなどのバックアップを特集している雑誌です。フロッピーディスク媒体のソフトは,ブランクディスクにそのほとんどをコピーすることができます。ほとんどをコピーできますが,特にゲームソフトはそのままコピーしただけでは遊べないようになっているのがほとんどでした。いわゆるコピープロテクトですね。

この本には,そのコピープロテクトを解除するテクニックなどが掲載されていて,私にとっては,ゲームの投稿プログラムなんかよりも,ずっと興味をそそられる本でした。

なんと言うか,こう,わざわざ隠しているものを探り当てる行為ってやりたくなるんですよね…。MSX はその仕様がある程度公開されていたので,資料も集めつつ,プロテクトを勉強し始めます。

まあ,その詳細はまた機会があったら紹介したいと思いますが,この結果,MSX 自体のハードウェア知識もつきましたし,市販ゲームのプログラムを解析していましたので,いろいろなプログラムテクニックなども見つけることができました。

今現在も思うのですが,他人のソースコードをたくさん見ることはとても重要で,上達への一番の近道だと思います。新たな発見があったり,逆にここはこうした方がいいんじゃないか?とか気づくこともたくさんあります。昔は逆アセンブルをしないと,簡単にプログラムの中身を除くことはできませんでしたが,オープンソースが当たり前の今,とてもよい時代になったと思います。

MSX で自作ハードウェア拡張をする

この「バックアップ活用テクニック」という雑誌は,その他にもハードウェア制作の記事もしばしば載っていました。まだこの時は,本に書かれている通りに部品を集め,回路図通りにハンダ付けをするだけで,回路の意味など全く理解できていませんでしたが,こういう部品が存在する,この部品はこういう役割をするという知識を得ることができました。

案の定,この時のほとんどの工作はまともに動きませんでしたが,MSX はソフトウェア,ハードウェア,両方に対する楽しみを与えてくれたパソコンです。今後の私の進路に大きく影響を与えるのでした…。

 

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